fprの皆様 アンケート法は研究の手段として手軽で効果的なのですが、 反応歪曲やタテマエ回答が起きやすいという大きな欠点があります。 反応歪曲やタテマエ回答を回避する方法として (広義の)間接質問法があります。 (数理統計学者C.R.ラオの教科書にも登場する歴史ある方法です。) 大学生の反応歪曲やタテマエ回答が予想される質問には、 たとえば以下があります。無記名でもなかなか正直には答えられません。 「性行為の経験人数」「売春経験の有無」「ポルノ映像視聴日数」 「違法ドラッグ使用経験の有無」「恋人にしたい業界」「カンニング経験の回数」 「理想の上司像」「容姿をバカにされた経験」「去年の後期のGPA」 (広義の)間接質問法は社会心理学やパーソナリティ心理学を はじめとして社会調査でひろく有用だと思うのですが 現時点ではあまり利用されていません。 これはとても残念なことです。 このたび拙学部ゼミでは上述の質問を使った アンケート実習を実施しました。 質問はご覧のとおり、大変ショッキングなものです。 (もちろんゼミ学生はとても真面目に実習に臨みました) 不安を取り除くために 回答者の大多数は、豊田が事前に授業の中で間接質問法の数理を解説し、 「この質問は、回答結果によらず、プライバシーは守られる。 信頼のシステムではなく、安心のシステムである」 ことを講義してから、回答してもらっています。 WEB調査なのでコインを振るところも見られません。 レポートを以下のページの一番下の 実践例「間接質問法によるタテマエの回避」 で配布していますので 間接質問法に興味のある方はDLしてご参考に なさってください。(一部、教科書として使った 「紙を使わないアンケート調査入門」 とは違った方法を用いています) http://www.waseda.jp/sem-toyoda-lab/backbook/gform.html -- ------------------------------------------------------------------------------ TOYODA Hideki Ph.D., Professor, Department of Psychology TEL +81-3-5286-3567 School of Humanities and Social Sciences, Waseda University toyoda _atmark_ waseda.jp 1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan http://www.waseda.jp/sem-toyoda-lab/ ------------------------------------------------------------------------------
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