岡本@日本女子大学です。 心理学は、プログラミングをする人を養成するところではありませんが、 しかし、ちょっと書きたくなりました。きっかけは、あるOSをインストールした際、 日本語を指定したのに、あちらこちらに中国語による表記が表示されたことです。 なにか、日本の情報関連の分野で、基礎的なところが崩壊している(大げさな言い方 ですが) という印象を受けました。 学部での学習内容と就職先とはそれほど直接的関係はない、SEとして文系から就職す る人たちも かなりいるという現状が昔からありますので、心理学においても卒業後、SEとして就 職する人が いても当然といえます。しかし、わたしの授業についていえば、何かプログラミング の前提となる ものが欠けているように思います。これは、大げさに言えば、プログラミングの文化 ではという 気がします。学習対象に対する文化的背景は無視できないと思います。極端な例をあ げれば、 算数の九九の学習があります。九九の理論を理解して習得する生徒は少ないと思いま す。しかし、 九九を覚えないといけないという学校内の雰囲気があるからでしょうか、皆、一生懸 命に覚えます。 プログラミングの場合、心理学においてはどうでしょうか。いろいろなアプリケー ションが用意されていて、 プログラミング不要が蔓延しています。もちろん、常にプログラミングということで はありません。私自身、 院生のときに周りの人たちのお手伝いとか、あるいは学生のデータ分析のときは、市 販あるいはフリーの アプリケーションを利用しています。しかし、自分の研究は、プログラミングが基本 になっています。 市販あるいはフリーのアプリケーションを否定するわけではありません。しかし、プ ログラミングも 必要だという文化(?)は、大学として無視されるべきではないと思います。 私のドットネット版Visual C++の英語版のウェブサイトには、ログファイルの集計を 見ると、 ドイツなどITで伸びつつある国からのアクセスが目立ちます。 以上のこと、杞憂であることを願っています。 横浜市在住 岡本安晴
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