[fpr 3853] もうひとつの重回帰分析

豊田秀樹

fprの皆様

6月上旬に東京図書より
書名:もうひとつの重回帰分析
副題:予測変数を直交化する方法
発売日:2017-06-08
https://www.amazon.co.jp/dp/4489022697
という書籍を公刊します。

日本心理学会第81回大会(主催校: 久留米大学)では
この本の内容を元にして、指定討論者として
サトウタツヤ先生(立命館大学)
宇佐美慧先生(東京大学)
をお迎えして、公募シンポジウムを行う予定です。

書籍の内容は以下のようなものです。
書店などでぱらぱら立ち読みしていただけたら幸いです。

ーーーーーまえがきから抜粋
重回帰分析は適用分野を問わず、統計分析の過程で、最も利用され
る基本的な統計モデルの1つです。しかし重回帰分析は頻繁に誤用
されます。悲しいことに「誤用ばかりである」といっても過言でな
いくらいに誤用されています。圧倒的に多いのは偏回帰係数の解釈
の誤りです。

<中略>

重回帰分析における最も多い誤用は、基準変数に対する予測変数の
単純な影響力の指標として偏回帰係数を解釈することです。

<中略>

要するに基準変数との単相関係数と、標準偏回帰係数とを、明確に
区別して解釈した文章を載せていない論文や報告書は、残念ながら
重回帰分析を誤用しています。研究のプロが書く査読論文にも誤っ
た解釈は多く、その誤りの頻度の惨状は絶望的なほどです。

ここまではっきり書くと「偏回帰係数の正負や有無を基準変数への
寄与として単純に解釈できないなら、そもそも重回帰分析という手
法は研究の役に立たないのでは?」という声が聞こえてきそうです。
はい、その指摘は半分当たっています。予測変数をたくさん投入し
た重回帰分析は基準変数の予測には役に立ちます。でも標準偏回帰
係数の単純な解釈ができないのですから、基準変数の学問的な説明
にはほとんど役に立ちません。また「偏回帰係数の解釈は難しい」
と警鐘を鳴らすことは大切ですが、それは消極的だし、そもそも問
題の解決にはなりません。

では、どうしたらよいのでしょうか? 本書では、予測変数を直交
化した重回帰分析を紹介します。統計手法を工夫して何とかするの
ではなく、データの取り方を変えます。実験計画的な操作を加えた
データを収集して重回帰分析を行います。この方法は重回帰分析の
応用のすべてにとって代わることはできませんが、そうとうに広範
囲の適用場面で利用することが可能です。

<中略>

登場する実例は全て、早稲田大学文学部に提出された卒業論文です。
身近な素材が多く、本方法が手軽に実行できることが実感できるで
しょう。

<後略>


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 TOYODA Hideki Ph.D.,  Professor,                    Department of Psychology
 TEL +81-3-5286-3567  School of Humanities and Social  Sciences,
Waseda University
 toyoda _atmark_ waseda.jp   1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
 http://www.waseda.jp/sem-toyoda-lab/
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