皆様 群分け) > 2)パーセンタイルでの群分け これも基本的に「中位の生徒を対象にす > る」という当初の計画にしたがったものです。 「中位の成績」の定義が曖昧 > にならないよう、学力偏差値でパーセンタイルの中位半分を選びました。 学 > 校での実験研究では、一部の生徒だけに実験をするというのは残りの生徒の取 > り扱いに困るので、 あらかじめ対象は定めた上で、全員に実験に参加しても > らいます。 (もっともこの点に関しては査読者から特に問題視されていませ > ん。) →群分けがy1学業成績のみでされており、y2自己肯定感でされていないよう です。y1とy2は、とても相関が高そうです。 y1とy2が同じだと主張しないからこそ、y1とy2に分けているのでしょうが、 それならば、なぜy1だけ統制したのかの理由が(査読者は指摘していないそう ですが)、小生は気になりました。 ランダム化) > > 3)クラスター化されたサンプリングについて 査読者が問題視したもう1 > 点は、サンプリングがクラス単位でなされていたことです。(clustered > samples) 社会調査などでは、2段階抽出法は普通に使われていて、特に問題な > いと思っていたのですが、これが問題とされたことも納得がいきません。 医 > 学の研究でも、サンプルサイズを大きくするために、いくつかの病院からサン > プルを集めることがあるかと思うのですが、 実験条件と統制条件を40人ず > つ集めるのに、5の病院から6−10例ずつ集めるようなことはRCTとして認め > られないでしょうか? これに関して、別の査読者はIntre-cluster > correlationsを計算するよう求めてきています。 → 多変量解析で、クラスを説明変数にいれて、NSだからモデルから除くという手法 は、今回の実験では使えないようですね。 某国立大学付属小学校などのように、完全にクラスによってカリキュラムも授業 内容も全く異なるいわゆる実験校でなくても、日本の一般市町村の初中 等学校 のクラス分けは、親にも公開できない、微妙な配慮をしているものです。不登校 の臨床をしておりますとクラスがゆがんでいることは度々経験し ます。アメリ カは日本よりクラス分けのゆがみが酷いのなら、アメリカ在住の査読者の指摘 は、理解可能です。外国籍の生徒を1クラスにあつめて、教 員の加配などして いたりしたら。。。 yが非感染性の生物指標ならあまり影響ないでしょうが、心理領域の指標をyに するなら、クラス分けが実験データの解釈に影響を与えないように、計 画する 方がエビデンスレベルは高いと思います。2段階群分けをするならその理由が正 当である必要を、著者は示さなければいけませんが、今回の実験 でわざわざ複 雑に2段階にする理由が査読者に得心できていないのでしょう。すくなくとも、 日本の小学校ならまずアウトかと。中学校は、小学校より クラス分けがアバウ トな印象ですが。 未成年児童の自己肯定感は、例えば集団心理に影響しないという知見があるので しょうか?すくなくとも既知ではないと思います。 所感) RCTであると、研究者の評価は高くなりますが、それが現場に意味があるかどう かは、また別です。 RCTであるかどうかは、ともかうとして、このご研究の成果は、 地域の現場の、児の親指導、教師指導につかえる有り難い成果です。 とてもインパクトがあるものと思いますので、 どこかの雑誌にだしていただけると、有り難いです。 松崎淳人
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。