[fpr 3906] (コメント)群分け=?UTF-8?B?44Go44Op44Oz44OA44Og5YyW4oaSIFJDVOOBruWumue+qQ==?=

SHIBAYAMA, Tadashi

松崎先生

横からののコメントで恐縮です。

先生のコメントを拝見して、RCTには
 介入以外の要因を可能な限りすべて(疫学的な意味で)そろえ、バイアスをもたらさない人為的工夫が基本にあること、
 したがって結果としてサンプルサイズが大きくなりがちなこと、
 教育施策のエビデンス作りにRCTが強く推奨されることへの現場感覚から感じていた違和感が、
腑おちしました。
貴重なご知見ありがとうございます。

守先生の成果、公刊されることを期待しています。

ーーー柴山@東北大

On 2018/09/05 11:52, 松崎淳人 wrote:
> 皆様
>
> 群分け)
>> 2)パーセンタイルでの群分け  これも基本的に「中位の生徒を対象にす 
>> る」という当初の計画にしたがったものです。 「中位の成績」の定義が曖昧 
>> にならないよう、学力偏差値でパーセンタイルの中位半分を選びました。 学 
>> 校での実験研究では、一部の生徒だけに実験をするというのは残りの生徒の取 
>> り扱いに困るので、 あらかじめ対象は定めた上で、全員に実験に参加しても 
>> らいます。 (もっともこの点に関しては査読者から特に問題視されていませ 
>> ん。) 
>
>
> →群分けがy1学業成績のみでされており、y2自己肯定感でされていないよう 
> です。y1とy2は、とても相関が高そうです。
> y1とy2が同じだと主張しないからこそ、y1とy2に分けているのでしょうが、 
>
> それならば、なぜy1だけ統制したのかの理由が(査読者は指摘していないそう 
> ですが)、小生は気になりました。
>
> ランダム化)
>
>>
>> 3)クラスター化されたサンプリングについて  査読者が問題視したもう1 
>> 点は、サンプリングがクラス単位でなされていたことです。(clustered samples) 
>> 社会調査などでは、2段階抽出法は普通に使われていて、特に問題な 
>> いと思っていたのですが、これが問題とされたことも納得がいきません。 医 
>> 学の研究でも、サンプルサイズを大きくするために、いくつかの病院からサン 
>> プルを集めることがあるかと思うのですが、 実験条件と統制条件を40人ず 
>> つ集めるのに、5の病院から6−10例ずつ集めるようなことはRCTとして認め 
>> られないでしょうか? これに関して、別の査読者はIntre-cluster 
>> correlationsを計算するよう求めてきています。
>
> →
> 多変量解析で、クラスを説明変数にいれて、NSだからモデルから除くという手法 
> は、今回の実験では使えないようですね。
>
> 某国立大学付属小学校などのように、完全にクラスによってカリキュラムも授業 
> 内容も全く異なるいわゆる実験校でなくても、日本の一般市町村の初中 等学校 
> のクラス分けは、親にも公開できない、微妙な配慮をしているものです。不登校 
> の臨床をしておりますとクラスがゆがんでいることは度々経験し ます。アメリ 
> カは日本よりクラス分けのゆがみが酷いのなら、アメリカ在住の査読者の指摘 
> は、理解可能です。外国籍の生徒を1クラスにあつめて、教 員の加配などして 
> いたりしたら。。。
> yが非感染性の生物指標ならあまり影響ないでしょうが、心理領域の指標をyに 
> するなら、クラス分けが実験データの解釈に影響を与えないように、計 画する 
> 方がエビデンスレベルは高いと思います。2段階群分けをするならその理由が正 
> 当である必要を、著者は示さなければいけませんが、今回の実験 でわざわざ複 
> 雑に2段階にする理由が査読者に得心できていないのでしょう。すくなくとも、 
> 日本の小学校ならまずアウトかと。中学校は、小学校より クラス分けがアバウ 
> トな印象ですが。
> 未成年児童の自己肯定感は、例えば集団心理に影響しないという知見があるので 
> しょうか?すくなくとも既知ではないと思います。
>
> 所感)
> RCTであると、研究者の評価は高くなりますが、それが現場に意味があるかどう 
> かは、また別です。
> RCTであるかどうかは、ともかうとして、このご研究の成果は、
> 地域の現場の、児の親指導、教師指導につかえる有り難い成果です。
>
> とてもインパクトがあるものと思いますので、
> どこかの雑誌にだしていただけると、有り難いです。
>
>
> 松崎淳人
>
>
>
>


-- 
-------------------------------------------------------
柴山 直 (SHIBAYAMA Tadashi)
東北大学大学院 教育学研究科 
Tel 022-795-3738
教育設計評価専攻:
 概要:http://www.sed.tohoku.ac.jp/grad/03chair/07.html
 詳しくは:http://www.sed.tohoku.ac.jp/lab/deseva/
教員紹介:http://www.sed.tohoku.ac.jp/facul/05teacher/shibayama.htm
-------------------------------------------------------



スレッド表示 著者別表示 日付順表示 トップページ

ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。