松崎先生 横からののコメントで恐縮です。 先生のコメントを拝見して、RCTには 介入以外の要因を可能な限りすべて(疫学的な意味で)そろえ、バイアスをもたらさない人為的工夫が基本にあること、 したがって結果としてサンプルサイズが大きくなりがちなこと、 教育施策のエビデンス作りにRCTが強く推奨されることへの現場感覚から感じていた違和感が、 腑おちしました。 貴重なご知見ありがとうございます。 守先生の成果、公刊されることを期待しています。 ーーー柴山@東北大 On 2018/09/05 11:52, 松崎淳人 wrote: > 皆様 > > 群分け) >> 2)パーセンタイルでの群分け これも基本的に「中位の生徒を対象にす >> る」という当初の計画にしたがったものです。 「中位の成績」の定義が曖昧 >> にならないよう、学力偏差値でパーセンタイルの中位半分を選びました。 学 >> 校での実験研究では、一部の生徒だけに実験をするというのは残りの生徒の取 >> り扱いに困るので、 あらかじめ対象は定めた上で、全員に実験に参加しても >> らいます。 (もっともこの点に関しては査読者から特に問題視されていませ >> ん。) > > > →群分けがy1学業成績のみでされており、y2自己肯定感でされていないよう > です。y1とy2は、とても相関が高そうです。 > y1とy2が同じだと主張しないからこそ、y1とy2に分けているのでしょうが、 > > それならば、なぜy1だけ統制したのかの理由が(査読者は指摘していないそう > ですが)、小生は気になりました。 > > ランダム化) > >> >> 3)クラスター化されたサンプリングについて 査読者が問題視したもう1 >> 点は、サンプリングがクラス単位でなされていたことです。(clustered samples) >> 社会調査などでは、2段階抽出法は普通に使われていて、特に問題な >> いと思っていたのですが、これが問題とされたことも納得がいきません。 医 >> 学の研究でも、サンプルサイズを大きくするために、いくつかの病院からサン >> プルを集めることがあるかと思うのですが、 実験条件と統制条件を40人ず >> つ集めるのに、5の病院から6−10例ずつ集めるようなことはRCTとして認め >> られないでしょうか? これに関して、別の査読者はIntre-cluster >> correlationsを計算するよう求めてきています。 > > → > 多変量解析で、クラスを説明変数にいれて、NSだからモデルから除くという手法 > は、今回の実験では使えないようですね。 > > 某国立大学付属小学校などのように、完全にクラスによってカリキュラムも授業 > 内容も全く異なるいわゆる実験校でなくても、日本の一般市町村の初中 等学校 > のクラス分けは、親にも公開できない、微妙な配慮をしているものです。不登校 > の臨床をしておりますとクラスがゆがんでいることは度々経験し ます。アメリ > カは日本よりクラス分けのゆがみが酷いのなら、アメリカ在住の査読者の指摘 > は、理解可能です。外国籍の生徒を1クラスにあつめて、教 員の加配などして > いたりしたら。。。 > yが非感染性の生物指標ならあまり影響ないでしょうが、心理領域の指標をyに > するなら、クラス分けが実験データの解釈に影響を与えないように、計 画する > 方がエビデンスレベルは高いと思います。2段階群分けをするならその理由が正 > 当である必要を、著者は示さなければいけませんが、今回の実験 でわざわざ複 > 雑に2段階にする理由が査読者に得心できていないのでしょう。すくなくとも、 > 日本の小学校ならまずアウトかと。中学校は、小学校より クラス分けがアバウ > トな印象ですが。 > 未成年児童の自己肯定感は、例えば集団心理に影響しないという知見があるので > しょうか?すくなくとも既知ではないと思います。 > > 所感) > RCTであると、研究者の評価は高くなりますが、それが現場に意味があるかどう > かは、また別です。 > RCTであるかどうかは、ともかうとして、このご研究の成果は、 > 地域の現場の、児の親指導、教師指導につかえる有り難い成果です。 > > とてもインパクトがあるものと思いますので、 > どこかの雑誌にだしていただけると、有り難いです。 > > > 松崎淳人 > > > > -- ------------------------------------------------------- 柴山 直 (SHIBAYAMA Tadashi) 東北大学大学院 教育学研究科 Tel 022-795-3738 教育設計評価専攻: 概要:http://www.sed.tohoku.ac.jp/grad/03chair/07.html 詳しくは:http://www.sed.tohoku.ac.jp/lab/deseva/ 教員紹介:http://www.sed.tohoku.ac.jp/facul/05teacher/shibayama.htm -------------------------------------------------------
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