岡本安晴@(日本女子大学定年退職)です。 クロス表の分析をカイ二乗検定で行うときは、 離散データによる統計量を連続分布で近似するための データ数の下限についての制約があります。 比率データをロジスティック回帰モデルを適用して 最尤法を用いるときも、漸近定理を適用するために データ数が十分に多いことが前提となっています。 これらに対して、確率モデルをベイズ法で分析するときは データ数に制限がありません。データ数が少ないときは それは事後分布に反映されます。あるいは、データに合わせて モデルの微調整を行うことも簡単に行えます。 度数のクロス表のポアッソン回帰モデルによるベイズ分析を 行う例を 拙著「いまさら聞けないPythonでデータ分析: 多変量解析、ベイズ統計分析(PyStan、PyMC)」 http://y-okamoto-psy1949.la.coocan.jp/booksetc/pyda/ で説明しました(Stan版:第12章、PyMC版:第15章)。 比率データにロジスティック回帰モデルを適用してベイズ分析する例は 拙著「心理学データ分析と測定: データの見方と心の測り方」 http://y-okamoto-psy1949.la.coocan.jp/booksetc/pm2010/ で説明しております(第4章)。執筆時はC++でプログラムを 用意しましたが、Stan版も http://y-okamoto-psy1949.la.coocan.jp/Python/misc/LgstcRgrssn/ に用意しております。 ポアッソン回帰モデルやロジスティック回忌モデルを用いる分析は 基本的に回帰モデルですので、分散分析の枠組みで分析を行うことが できます。現代の分散分析は、回帰モデルで行われております。 横浜市在住 岡本安晴
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