「瀕死の統計学を救え! 」という書籍を 3月15日に、朝倉書店さんから公刊します。カバー序文は ーーーーーーーーーここから 2019年3月,統計学に関する2つの衝撃的な論文が公刊されました. 1つはアメリカ統計学会監修 The American Statistician の「21世紀の統計的推論:“p < 0.05”を超えて」です.本論の章タイトルは,Don't Say “Statistically Significant” であり,命令形ではっきりと有意性検定を禁止しています.これ以上 p 値を使い続けるということは,最大手の製造元メーカーがリコールし,乗車を禁止している車に乗るのといっしょです. もう1つは,権威ある科学雑誌 Nature の「統計的有意性を引退させよう」です.このコメント論文には800人以上の科学者が賛成の署名をしており,「統計的有意性の概念全体を放棄するように求める」と主張しています.今後も p 値を教え続けるということは,最大手の消費者団体が乗車を控えるようにと呼び掛けている車に乗れ,と言うのと同じです. それでもあなたは p 値を使い続けますか? まだ有意性検定を教え続けますか? ーーーーーーーーーここまで というものです。 「再現性問題が科学をこれほど蝕んでいるのに、 周囲の人々はどうして、騒がないのだろう」 と不思議な気持ちで、この1年を過ごしました。 不遜な書名で恥ずかしいのですが 統計学を愛するが故と思し召し、お許しください。 http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-12255-8/ で本文の一部(プロローグ)を公開いたしました。 朝倉書店さんに感謝いたします。 研究・執筆活動は、結果の如何にかかわらず、 それができるというだけで恩寵なのだということを知りました。 これまで高齢の家族が健康であったために研究・執筆活動が叶いましたが これからはそうはいかなくなりそうです。 人生の季節の移り変わりを優しく受けとめます。 -- ------------------------------------------------------------------------------ TOYODA Hideki Ph.D., Professor, Department of Psychology TEL +81-3-5286-3567 School of Humanities and Social Sciences, Waseda University toyoda _atmark_ waseda.jp 1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan http://www.waseda.jp/sem-toyoda-lab/ ------------------------------------------------------------------------------
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