岡本安晴@日本女子大学です。 弁別閾は、理論的には精神測定関数(心理測定関数)F(x)に対して、例えば 0.75 = F(x1) となる値x1から定義される。主観的等価点は 0.5 = F(x2) となる値x2である。 他の定義、すなわち単に操作的に極限法、調整法あるいは単純な上下法から 求められた弁別閾は、精神測定関数との関係が理論的には明示されていない。 さらに、極限法の場合、現在では支持されていない「閾の存在」が前提と されていると理解される。「閾の存在」を理論的に支持するものとして StevensのNeural Quantum Modelがあるが、これはLink(1992)によって 批判されている(岡本安晴「計量心理学」培風館、補足2−1参照)。 現在の、「閾の存在」を前提としない、精神測定関数に基づく弁別閾の 測定を効率よく行う方法として例えば適応的上下法がある(前掲書、2−5節 「適応的方法」参照)。このサンプルプログラムをVisual C++で作成したが、 興味のある方に試して頂ければと思いウェブサイト http://y-okamoto-psy1949.la.coocan.jp/VCpp/adapupdown/ にアップロードした。 日本女子大学心理学科 岡本安晴
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