[fpr 3377] 欠測値をもつデータの独立モデルのカイ二乗自由度(AMOS)

岡田努

AMOS(17)で,独立モデルのカイ二乗の自由度について,
同じモデルであっても,欠測データと欠測値のない完全データでは,異なる値が出力されるようで悩んでいます。
たとえばソフト付属サンプルのEx_17.amwを分析したとき
欠測データであるGrant_x.savで分析するとCMIN欄では自由度21 となりますが,
これを完全データであるGrant.savで分析すると自由度15となります。

どちらも設定(平均と切片を推定をチェック)などはそのままで,違いは読み込ませるデータが違うだけです。
観測変数数=6なので,公式(df=(1/2)*観測変数数*(観測変数数−1))=15で,完全データでの自由度が合致します。
飽和モデルのNPAR(27)−独立モデルのNPAR(12)でも15になります。
欠測値データでは独立モデルのNPAR値(パラメタ数)が観測変数数(6)と出力され,飽和モデルのNPARからの引き算(27-6)によって21という値が得られているようです。

じっさい独立モデルのカイ二乗の自由度は15,21 の,どちらが正しいのでしょう?
AMOSのユーザーズガイドには何も書かれていませんが,欠測値を含むデータの場合にはこのような異なる自由度が用いられるものなのでしょうか?
それとも,私が何か考え違いをしているのでしょうか?

ここの値が異なると,CFIなどカイ二乗の結果を利用する適合度にも影響してくるかと思います。
(AMOSでは出力通りのdfを用いてCFIを求めているようです)

ちなみにVBモードで,変数間の共変動=0
hoge.GenerateDefaultCovariances(False)
を設定して観測変数の平均推定だけを行う(Ex17-b.vbに上の一行を入れるだけです)と,
どうやら独立モデルに対応した対数尤度関数と自由度が出力されるようなのですが
その際のNPARは,欠測データも完全データも同じ値(上の例ではNPAR=12)が出てきます。

データやモデルを変えても同じようなことが起こりますので,このデータ・モデルに特有の事象ではないと思います。

岡田 努


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