[fpr 3386] ある現象がある確率分布に従うとみなせる根拠は何ですか

南風原朝和

三好様,fprの皆様

Hiroto Miyoshi さんからの引用:

> すみませんが、教えてください。
> 
> ある現象が、ある確率分布に従うと「みなす」または「みなせる」
> のは、その現象に関してある程度の標本を持っている場合以外に、
> どんなときですか?

「ある現象がある確率分布に従う」というのは,標本をとって
それがその分布に近いから,とかではなく,「一定の確率で独
立に生起する」などの基本的な仮定から,数学的に導かれるも
のだと思います。そして,実際の手続きがその仮定を満たして
いると考えられるならば,その手続きの結果得られる現象は,
当該の分布にしたがうとみなすことができます。

たとえば,コインの表裏のような2通りの結果が,ある確率で
独立に生起すると仮定すると,その試行の繰り返しはベルヌイ
分布からのサンプルとみなせ,それに1と0を割り振って,
n回の試行分合計したものは2項分布にしたがい,そのnが
大きいときは正規分布とみなすとができ,それを2乗したもの
はカイ2乗分布にしたがい,独立なカイ2乗変数の比はF分布
にしたがい,・・・というような感じです。

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南風原朝和  haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp


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